ロードバイクDi2化の費用は?総額と工賃

  • 2025年11月4日
  • 2025年11月4日
  • 雑学
  • 49view

ロードバイクのDi2化、憧れますよね。あのスムーズな電動シフトは一度体験すると戻れない魅力があります。でも、いざ「ロードバイクのDi2化の費用」を調べ始めると、情報が多すぎて混乱しませんか?

「結局、Di2化に必要なものは何?」「グレード別の価格差は?」「ショップに頼んだ場合の工賃はいくら?」…。さらに、中古パーツの相場や、11速と12速コンポの互換性、SRAMとの比較なんかも気になりますよね。

Di2化のメリットやデメリット、充電の頻度といった維持費も知っておきたいし、そもそも「今乗っているバイクをDi2化するのと、新しいDi2完成車を買うのはどっちが得なの?」というのは、一番悩ましいポイントかなと思います。

この記事では、そうしたDi2化に関するあらゆる費用の疑問を、私なりに整理してみました。あなたのロードバイクに最適なアップグレードプランを見つけるお手伝いができれば嬉しいです。

  • Di2化に必要なパーツ代とショップ工賃の総額目安
  • 中古パーツ活用やDIYによるコスト削減のヒント
  • Di2のメリット・デメリットやSRAMとの違い
  • アップグレードと完成車購入のどちらが合理的か

ロードバイクDi2化費用の総額と内訳

まず、Di2化に一体いくらかかるのか、その全体像を見ていきましょう。新品のコンポセット価格はもちろん、グレードや中古パーツの活用によって総額は大きく変動します。具体的に「何が必要で」「いくらするのか」を分解していきますね。

Di2化に必要なものリスト

「Di2化」というと、STIレバーとディレイラー(変速機)だけ交換すればOK?と思いがちですが、特に最新の12速Di2にする場合は、システム全体を入れ替えるイメージに近いです。

シマノの105 Di2(R7100系)を例に、最低限必要なパーツはこんな感じです 。

12速 Di2化 必須パーツリスト

  • STIレバー (ST-R7170など)
  • フロントディレイラー (FD-R7150)
  • リアディレイラー (RD-R7150)
  • 内蔵バッテリー (BT-DN300)
  • エレクトリックケーブル (EW-SD300) x2本
  • 充電ケーブル (EW-EC300)
  • 【12速化に伴い必須】カセットスプロケット (12速)
  • 【12速化に伴い必須】チェーン (12速)

これらに加えて、もし今のバイクがリムブレーキなら、油圧ディスクブレーキのキャリパー(BR-R7170)やローター、ブレーキホースも一式必要になりますね 。

見落としがちなのが、ボトムブラケット(BB) 。クランクの規格が変わる場合は、BBの交換も費用に加わってくるので注意が必要です。

グレード別価格比較:105対Ultegra

Di2化の費用を最も大きく左右するのが、コンポーネントのグレードです。シマノの現行12速Di2には、主に3つのグレードがあります。

ここで注意したいのが、「グループセット」と「コンバージョンキット」の表記の違いです。Di2化に必要なレバーやディレイラー、バッテリー類が全て含まれた「キット」の実売価格で比較するのが現実的ですね。

新品12速Di2キット 価格比較(目安)

グレード型番(ディスク)実売価格目安(税込)
105R7170系約176,000円
ULTEGRAR8170系約226,000円
DURA-ACER9270系約422,735円

※価格は調査時点での一例です。BBやペダルは含まれないことが多いです 。

こう見ると、Di2化の「エントリーコスト」は105の約17.6万円。ULTEGRAにすると、そこからプラス約5万円が必要になる、という感じですね。

Di2化のメリットとデメリット

数十万円の投資に見合う価値があるのか? Di2化のメリットと、知っておくべきデメリットを整理してみます。

Di2化の主なメリット

  • 変速がとにかく速い・正確: ボタンを押すだけ。疲れている時でも、雨の日でも、スパッと変速が決まります 。
  • シンクロシフトが賢い: リアの変速に合わせて、フロントディレイラーを自動で変速・調整してくれる機能です 。面倒なフロント変速の操作から解放されます。
  • メンテナンスが楽: 機械式のワイヤー伸びによる「変速のズレ」が原理的にありません。一度設定すれば、その性能が長く続きます。

Di2化の主なデメリット

  • 初期費用が高い: やはり一番のネックですね。105でも17万円以上かかります 。
  • 故障時の対応: 電子部品なので、もし出先でトラブルが起きると、現場での応急処置はほぼ不可能です 。
  • 充電の手間: 定期的にバッテリーを充電する作業が発生します。

ただ、充電に関しては、1回のフル充電で約1000kmは走れるとされているので 、私のような週末ライダーなら1〜2ヶ月に1回程度かなと思います。これを「手間」と取るか、「ワイヤー調整より楽」と取るかは人によりますね。

中古相場とコスト削減のヒント

「新品の12速キットは高すぎる…」という場合に、最も効果的なコスト削減術が中古市場の活用です。

特に狙い目なのが、1世代前の11速Di2、特にULTEGRA(R8050系)です。リムブレーキ版なら、STI・FD・RDのセットが7万円台 、コンポセットでも約8万円 くらいから探せる場合があります。

新品の12速105 Di2キット(約17.6万円) と、中古の11速Ultegra Di2セット(約8万円) を比べると、差額は約10万円にもなります。

もちろん「新品」「12速」という魅力はありますが、10万円安く電動化できる11速中古という選択肢は、かなり現実的かなと思います。今乗っているバイクがリムブレーキなら、なおさらですね。

12速Di2でも、完成車からの「新車外し」といった未使用品が11万円台 で出回ることもあるので、フリマサイトやオークションをこまめにチェックする価値はありますよ。

11速と12速コンポの互換性

Di2化の費用を抑える上で、もう一つ重要なのが「今持っているパーツを流用できるか?」という互換性の問題です。

最大の焦点は、「11速用のクランクは、12速Di2で使えるのか?」という点。

Di2キットにはクランクも含まれていますが 、もし今使っている11速クランク(例えばR8000アルテグラとか、パワーメーター付きクランクとか)を流用できれば、数万円の節約になります 。

これ、サードパーティ製の11速クランクとシマノ12速Di2を組み合わせてテストした例があるんですが、結果は「問題なく使用が出来ます!」とのことでした 。

このことから、シマノ純正の11速クランク(R8000やR9100系)も、12速チェーンと組み合わせれば、実用上は問題なく動作する可能性が非常に高いと言えそうです。これは大きなコスト削減ポイントですね!

ロードバイクDi2化費用と工賃の比較

コンポ代の次は、「どうやって取り付けるか」の費用を見ていきましょう。ショップに依頼した場合の工賃(作業費)と、自分で挑戦するDIY。さらに、ライバルのSRAMや、Di2完成車との価格比較まで、深掘りしていきます。

Di2化の工賃、ショップ依頼の相場

プロショップにDi2化を依頼する場合、工賃はいくら見積もれば良いのでしょうか。

「コンポ一式購入時は工賃10,000円」 といったお店もありますが、これはパーツをそのお店で買った場合の割引価格のことが多いです。

パーツ持ち込みで、機械式コンポから電動コンポへ「載せ替え」を依頼する場合、一般的な工賃の目安は約35,000円(税込)かなと思います 。

「フル内装バイク」の工賃に注意!

最も注意したいのが、ケーブル類がハンドルやステムの中を全部通る「フル内装」のエアロロードバイクです。この作業は非常に複雑で時間がかかるため、工賃が約45,000円(税込)に設定されている場合があります 。

これは、総費用を左右する「隠れたコスト」になる可能性があるので、必ず事前にお店に見積もりをもらうことをおすすめします。

DIYで組む場合の専用工具と注意点

「工賃3.5万〜4.5万は高い!」と感じるなら、DIY(セルフ組み付け)に挑戦する手もあります。12速Di2はレバーが無線化され、配線がシンプルになったので「ワイヤー式より楽」という声もあります 。

ただし、DIYも「無料」ではありません。以下のコストとリスクを天秤にかける必要があります。

  • 専用工具のコスト: フレーム内にケーブルを通すための「インターナルケーブル ルーティングキット」といった専用工具が必要になる場合があり、これが1万円を超えることも 。
  • 作業リスク: 最も怖いのが、作業中の「断線」です 。特にシートポストにバッテリーを入れる際などにケーブルを傷つけてしまうと、数万円の部品がパーになるリスクがあります。

工賃3.5万円を節約するために、1.5万円の工具を買い、数万円の破損リスクを負う…。これをどう判断するかが、DIYの分かれ道ですね。

SRAMとシマノDi2の比較

電動コンポといえばシマノDi2が有名ですが、強力なライバル「SRAM(スラム)」の存在も忘れてはいけません。

両者の最大の違いは、ワイヤレスの仕組みです。

  • シマノ Di2 (12速): 「セミワイヤレス」。レバーは無線、でもバッテリーとディレイラー間は有線
  • SRAM eTap AXS: 「フルワイヤレス」。レバーもディレイラーも、それぞれ独立したバッテリーで無線通信。

SRAMのメリットは、Di2化の最大の障壁である「フレームへの配線作業」が一切不要なこと。DIYの難易度が劇的に下がり、ショップ工賃も安くなる可能性があります。

価格帯は、105 Di2のライバルになる「Rival eTap AXS」グループセットが、Di2と同等か少し高いくらいの印象です 。ですが、配線作業の工賃 や専用工具代 を含めた「総費用」で考えると、SRAMの方が合理的、というケースも十分あり得ると思います。

Di2化と完成車購入はどっちが得?

これが、Di2化を検討する上で一番悩ましく、そして一番重要な比較かもしれません。

「今乗っているバイクをDi2化する費用」「Di2搭載の新品完成車を買う価格」、どっちが得なのでしょうか?

ちょっと衝撃的な数字を見てください。

Di2化 vs 完成車 コスト比較

  • シナリオA: Di2化の最低コスト   新品105 Di2キット (約17.6万円) + 標準工賃 (約3.5万円)   = 合計 約21.1万円
  • シナリオB: Di2完成車の実売価格 105 Di2搭載 アルミロード完成車 (セール価格) = 合計 約24万円

なんと、差額は約3万円です。

もし今、私がエントリー〜ミドルグレードのバイク(例えばアルミフレームのバイク など)に乗っているとしたら…。約21万円かけてDi2化するよりも、プラス3万円出して「フレームもホイールも全部新品」のDi2完成車を買う方が、圧倒的に合理的じゃないか?と思ってしまいます 。

もちろん、今のハイエンドなカーボンフレームや、お気に入りのホイールを活かしたい!というなら話は別です。でも、そうでないなら「乗り換え」は真剣に検討すべき選択肢ですね。

Di2の充電頻度と維持費

最後に、Di2を導入した後の「維持費」についてです。主な維持費は、もちろんバッテリーの充電です。

Di2のバッテリーは、1回のフル充電で走行可能な距離は、変速の頻度にもよりますが「1000km程度」とされています 。

毎週100km走る人なら、2〜3ヶ月に1回くらいの充電頻度でしょうか。これなら、正直「手間」というほどのレベルではないかな、と私は思います。むしろ、定期的なワイヤー調整から解放されるメリットの方が大きいかもしれません。

それ以外の維持費は、基本的には機械式コンポと変わりません。ただ、万が一の落車などでディレイラーを壊してしまった場合、電子部品であるDi2のパーツは機械式より高額になる、という点は覚悟しておく必要がありそうです 。

最適なロードバイクDi2化費用の見つけ方

ここまで、Di2化にかかる費用を様々な角度から見てきました。

結論として、「ロードバイクのDi2化の費用」は、あなたの今のバイクと、あなたが何を求めるかで、15万円(中古DIY)から60万円以上(新品デュラエース)まで、大きく変わってきます。

あなたにとっての「最適解」は?

  • 今のハイエンドフレームを活かしたい人:   新品105やUltegraキット + ショップ工賃 でのアップグレードが合理的です。
  • コストを最優先したい人:   11速Ultegra(R8050)の中古パーツ を探し、DIY に挑戦するのが最安ルートです。
  • エントリー/ミドルグレードのバイクの人:   Di2化する費用(約21万円) を元手に、Di2完成車 へ「乗り換える」のが、最も賢い選択かもしれません。

この記事で整理した価格や工賃は、あくまで私が見つけた一例です。パーツの価格は日々変動しますし、工賃もお店によって異なります。

最終的な判断は、ぜひお近くの信頼できるプロショップで相談してみてください。あなたのバイクに最適なプランを一緒に考えてくれるはずです。

あなたのDi2化が成功することを祈っています!