
ロードバイクのDi2化、憧れますよね。あのスムーズな電動シフトは一度体験すると戻れない魅力があります。でも、いざ「ロードバイクのDi2化の費用」を調べ始めると、情報が多すぎて混乱しませんか?
「結局、Di2化に必要なものは何?」「グレード別の価格差は?」「ショップに頼んだ場合の工賃はいくら?」…。さらに、中古パーツの相場や、11速と12速コンポの互換性、SRAMとの比較なんかも気になりますよね。
Di2化のメリットやデメリット、充電の頻度といった維持費も知っておきたいし、そもそも「今乗っているバイクをDi2化するのと、新しいDi2完成車を買うのはどっちが得なの?」というのは、一番悩ましいポイントかなと思います。
この記事では、そうしたDi2化に関するあらゆる費用の疑問を、私なりに整理してみました。あなたのロードバイクに最適なアップグレードプランを見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
- Di2化に必要なパーツ代とショップ工賃の総額目安
- 中古パーツ活用やDIYによるコスト削減のヒント
- Di2のメリット・デメリットやSRAMとの違い
- アップグレードと完成車購入のどちらが合理的か
ロードバイクDi2化費用の総額と内訳
まず、Di2化に一体いくらかかるのか、その全体像を見ていきましょう。新品のコンポセット価格はもちろん、グレードや中古パーツの活用によって総額は大きく変動します。具体的に「何が必要で」「いくらするのか」を分解していきますね。
Di2化に必要なものリスト
「Di2化」というと、STIレバーとディレイラー(変速機)だけ交換すればOK?と思いがちですが、特に最新の12速Di2にする場合は、システム全体を入れ替えるイメージに近いです。
シマノの105 Di2(R7100系)を例に、最低限必要なパーツはこんな感じです 。
12速 Di2化 必須パーツリスト
- STIレバー (ST-R7170など)
- フロントディレイラー (FD-R7150)
- リアディレイラー (RD-R7150)
- 内蔵バッテリー (BT-DN300)
- エレクトリックケーブル (EW-SD300) x2本
- 充電ケーブル (EW-EC300)
- 【12速化に伴い必須】カセットスプロケット (12速)
- 【12速化に伴い必須】チェーン (12速)
これらに加えて、もし今のバイクがリムブレーキなら、油圧ディスクブレーキのキャリパー(BR-R7170)やローター、ブレーキホースも一式必要になりますね 。
見落としがちなのが、ボトムブラケット(BB) 。クランクの規格が変わる場合は、BBの交換も費用に加わってくるので注意が必要です。
グレード別価格比較:105対Ultegra
Di2化の費用を最も大きく左右するのが、コンポーネントのグレードです。シマノの現行12速Di2には、主に3つのグレードがあります。
ここで注意したいのが、「グループセット」と「コンバージョンキット」の表記の違いです。Di2化に必要なレバーやディレイラー、バッテリー類が全て含まれた「キット」の実売価格で比較するのが現実的ですね。
新品12速Di2キット 価格比較(目安)
| グレード | 型番(ディスク) | 実売価格目安(税込) |
|---|---|---|
| 105 | R7170系 | 約176,000円 |
| ULTEGRA | R8170系 | 約226,000円 |
| DURA-ACE | R9270系 | 約422,735円 |
※価格は調査時点での一例です。BBやペダルは含まれないことが多いです 。
こう見ると、Di2化の「エントリーコスト」は105の約17.6万円。ULTEGRAにすると、そこからプラス約5万円が必要になる、という感じですね。
Di2化のメリットとデメリット
数十万円の投資に見合う価値があるのか? Di2化のメリットと、知っておくべきデメリットを整理してみます。
Di2化の主なメリット
- 変速がとにかく速い・正確: ボタンを押すだけ。疲れている時でも、雨の日でも、スパッと変速が決まります 。
- シンクロシフトが賢い: リアの変速に合わせて、フロントディレイラーを自動で変速・調整してくれる機能です 。面倒なフロント変速の操作から解放されます。
- メンテナンスが楽: 機械式のワイヤー伸びによる「変速のズレ」が原理的にありません。一度設定すれば、その性能が長く続きます。
Di2化の主なデメリット
- 初期費用が高い: やはり一番のネックですね。105でも17万円以上かかります 。
- 故障時の対応: 電子部品なので、もし出先でトラブルが起きると、現場での応急処置はほぼ不可能です 。
- 充電の手間: 定期的にバッテリーを充電する作業が発生します。
ただ、充電に関しては、1回のフル充電で約1000kmは走れるとされているので 、私のような週末ライダーなら1〜2ヶ月に1回程度かなと思います。これを「手間」と取るか、「ワイヤー調整より楽」と取るかは人によりますね。
中古相場とコスト削減のヒント
「新品の12速キットは高すぎる…」という場合に、最も効果的なコスト削減術が中古市場の活用です。
特に狙い目なのが、1世代前の11速Di2、特にULTEGRA(R8050系)です。リムブレーキ版なら、STI・FD・RDのセットが7万円台 、コンポセットでも約8万円 くらいから探せる場合があります。
新品の12速105 Di2キット(約17.6万円) と、中古の11速Ultegra Di2セット(約8万円) を比べると、差額は約10万円にもなります。
もちろん「新品」「12速」という魅力はありますが、10万円安く電動化できる11速中古という選択肢は、かなり現実的かなと思います。今乗っているバイクがリムブレーキなら、なおさらですね。
12速Di2でも、完成車からの「新車外し」といった未使用品が11万円台 で出回ることもあるので、フリマサイトやオークションをこまめにチェックする価値はありますよ。
11速と12速コンポの互換性
Di2化の費用を抑える上で、もう一つ重要なのが「今持っているパーツを流用できるか?」という互換性の問題です。
最大の焦点は、「11速用のクランクは、12速Di2で使えるのか?」という点。
Di2キットにはクランクも含まれていますが 、もし今使っている11速クランク(例えばR8000アルテグラとか、パワーメーター付きクランクとか)を流用できれば、数万円の節約になります 。
これ、サードパーティ製の11速クランクとシマノ12速Di2を組み合わせてテストした例があるんですが、結果は「問題なく使用が出来ます!」とのことでした 。
このことから、シマノ純正の11速クランク(R8000やR9100系)も、12速チェーンと組み合わせれば、実用上は問題なく動作する可能性が非常に高いと言えそうです。これは大きなコスト削減ポイントですね!
ロードバイクDi2化費用と工賃の比較
コンポ代の次は、「どうやって取り付けるか」の費用を見ていきましょう。ショップに依頼した場合の工賃(作業費)と、自分で挑戦するDIY。さらに、ライバルのSRAMや、Di2完成車との価格比較まで、深掘りしていきます。
Di2化の工賃、ショップ依頼の相場
プロショップにDi2化を依頼する場合、工賃はいくら見積もれば良いのでしょうか。
「コンポ一式購入時は工賃10,000円」 といったお店もありますが、これはパーツをそのお店で買った場合の割引価格のことが多いです。
パーツ持ち込みで、機械式コンポから電動コンポへ「載せ替え」を依頼する場合、一般的な工賃の目安は約35,000円(税込)かなと思います 。
「フル内装バイク」の工賃に注意!
最も注意したいのが、ケーブル類がハンドルやステムの中を全部通る「フル内装」のエアロロードバイクです。この作業は非常に複雑で時間がかかるため、工賃が約45,000円(税込)に設定されている場合があります 。
これは、総費用を左右する「隠れたコスト」になる可能性があるので、必ず事前にお店に見積もりをもらうことをおすすめします。
DIYで組む場合の専用工具と注意点

「工賃3.5万〜4.5万は高い!」と感じるなら、DIY(セルフ組み付け)に挑戦する手もあります。12速Di2はレバーが無線化され、配線がシンプルになったので「ワイヤー式より楽」という声もあります 。
ただし、DIYも「無料」ではありません。以下のコストとリスクを天秤にかける必要があります。
- 専用工具のコスト: フレーム内にケーブルを通すための「インターナルケーブル ルーティングキット」といった専用工具が必要になる場合があり、これが1万円を超えることも 。
- 作業リスク: 最も怖いのが、作業中の「断線」です 。特にシートポストにバッテリーを入れる際などにケーブルを傷つけてしまうと、数万円の部品がパーになるリスクがあります。
工賃3.5万円を節約するために、1.5万円の工具を買い、数万円の破損リスクを負う…。これをどう判断するかが、DIYの分かれ道ですね。
SRAMとシマノDi2の比較
電動コンポといえばシマノDi2が有名ですが、強力なライバル「SRAM(スラム)」の存在も忘れてはいけません。
両者の最大の違いは、ワイヤレスの仕組みです。
- シマノ Di2 (12速): 「セミワイヤレス」。レバーは無線、でもバッテリーとディレイラー間は有線 。
- SRAM eTap AXS: 「フルワイヤレス」。レバーもディレイラーも、それぞれ独立したバッテリーで無線通信。
SRAMのメリットは、Di2化の最大の障壁である「フレームへの配線作業」が一切不要なこと。DIYの難易度が劇的に下がり、ショップ工賃も安くなる可能性があります。
価格帯は、105 Di2のライバルになる「Rival eTap AXS」グループセットが、Di2と同等か少し高いくらいの印象です 。ですが、配線作業の工賃 や専用工具代 を含めた「総費用」で考えると、SRAMの方が合理的、というケースも十分あり得ると思います。
Di2化と完成車購入はどっちが得?
これが、Di2化を検討する上で一番悩ましく、そして一番重要な比較かもしれません。
「今乗っているバイクをDi2化する費用」と「Di2搭載の新品完成車を買う価格」、どっちが得なのでしょうか?
ちょっと衝撃的な数字を見てください。
Di2化 vs 完成車 コスト比較
- シナリオA: Di2化の最低コスト 新品105 Di2キット (約17.6万円) + 標準工賃 (約3.5万円) = 合計 約21.1万円
- シナリオB: Di2完成車の実売価格 105 Di2搭載 アルミロード完成車 (セール価格) = 合計 約24万円
なんと、差額は約3万円です。
もし今、私がエントリー〜ミドルグレードのバイク(例えばアルミフレームのバイク など)に乗っているとしたら…。約21万円かけてDi2化するよりも、プラス3万円出して「フレームもホイールも全部新品」のDi2完成車を買う方が、圧倒的に合理的じゃないか?と思ってしまいます 。
もちろん、今のハイエンドなカーボンフレームや、お気に入りのホイールを活かしたい!というなら話は別です。でも、そうでないなら「乗り換え」は真剣に検討すべき選択肢ですね。
Di2の充電頻度と維持費
最後に、Di2を導入した後の「維持費」についてです。主な維持費は、もちろんバッテリーの充電です。
Di2のバッテリーは、1回のフル充電で走行可能な距離は、変速の頻度にもよりますが「1000km程度」とされています 。
毎週100km走る人なら、2〜3ヶ月に1回くらいの充電頻度でしょうか。これなら、正直「手間」というほどのレベルではないかな、と私は思います。むしろ、定期的なワイヤー調整から解放されるメリットの方が大きいかもしれません。
それ以外の維持費は、基本的には機械式コンポと変わりません。ただ、万が一の落車などでディレイラーを壊してしまった場合、電子部品であるDi2のパーツは機械式より高額になる、という点は覚悟しておく必要がありそうです 。
最適なロードバイクDi2化費用の見つけ方
ここまで、Di2化にかかる費用を様々な角度から見てきました。
結論として、「ロードバイクのDi2化の費用」は、あなたの今のバイクと、あなたが何を求めるかで、15万円(中古DIY)から60万円以上(新品デュラエース)まで、大きく変わってきます。
あなたにとっての「最適解」は?
- 今のハイエンドフレームを活かしたい人: 新品105やUltegraキット + ショップ工賃 でのアップグレードが合理的です。
- コストを最優先したい人: 11速Ultegra(R8050)の中古パーツ を探し、DIY に挑戦するのが最安ルートです。
- エントリー/ミドルグレードのバイクの人: Di2化する費用(約21万円) を元手に、Di2完成車 へ「乗り換える」のが、最も賢い選択かもしれません。
この記事で整理した価格や工賃は、あくまで私が見つけた一例です。パーツの価格は日々変動しますし、工賃もお店によって異なります。
最終的な判断は、ぜひお近くの信頼できるプロショップで相談してみてください。あなたのバイクに最適なプランを一緒に考えてくれるはずです。
あなたのDi2化が成功することを祈っています!

